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エモくなったときに感情を吐き出します。

ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow 感想

劇場版ラブライブ!サンシャイン!!見てきました。
ネタバレ全開感想なので、嫌な方は序論だけ読んでブラウザバックでお願いします。

 

ネタバレ無し感想
  • もう1回は見に行きたいと思っています。理由は後述、ネタバレパートにて。
  • 本編を見直してから行った方が楽しめます。少なくとも2期の函館回以降は全部おさらいを勧めます。
TV版からずっと思ってきましたが、サンシャインって描かなきゃいけないもの、ファンから期待されているものが多すぎるんですよね。
しかもそれらが多岐にわたりすぎていて、一本の筋道にまとめ上げるのは至極困難です。
結果、いろいろなサブストーリーが輻輳して進んでいくことになり、何回も視聴しないと味わいきれない作品になっていると思います。

加えて、元々が雑誌上の読者参加型企画だったこともあり、アニメ版もファンからつっこまれて議論されること前提の作りになっていると思います。
無印劇場版が放映されたときの実況ツイートなんかに顕著です。
サンシャインもファンが反応してくれること前提の濃ゆい描写を次々繰り出してきました。

劇場版も同様です。早々に感想を残しておくことが界隈の賑わいにつながると思い、初見版を送ります。

 

以下、ネタバレ全開でお送りします。




















 Recordの向こう側
「廃校になってしまう浦の星女学院の存在をいかに記録(record)に残すか」が、サンシャインTV版2期後半のモチベーションでした。
Aqours、そして浦の星女学院生徒の皆は、ラブライブに優勝することでそれを成し遂げました。

 

劇場版ではまず、この成果に対する疑問が、様々な角度から提示されます。

 

統合先の高校からの拒絶。
6人になったAqoursのパフォーマンスへの酷評。
小原母の指摘。
何よりメンバー(特に高海)の内心の戸惑い。

 

小原母のセリフが一番露骨でしたね。

 

ラブライブ優勝チームという肩書きはμ’sと一緒ですが、強者ゆえの悩みに苛まれたμ’sとは異なり、Aqoursは再び弱者に転落します。

 

イタリアに行くまでが、これらの問題提起パート。
イタリアに行き9人揃ってから、色々な展開を経てこの課題を乗り切って行きます。

 

最終的に、AqoursはTV版にて辿り着いた「ラブライブに優勝して浦の星女学院の名を歴史に刻んだ存在」つまりrecordを残した存在を超え、浦の星女学院の伝統を体現した存在として輝きを取り戻します。
そして同時に、現行メンバーの9人という属人性から解き放たれました。

 

浦の星女学院の伝統

Aqoursは、スクールアイドル活動を通して、浦の星女学院の生徒達に対し、「『浦の星女学院らしさ』とは何か」を刻み込みました。
「全校生徒が一体となって一つのもの(作中ではライブや閉校祭)を作り上げる」という行為こそが、浦の星女学院らしさであり、代々受け継がれてきた伝統なのです。
 
ここまでは、TV版小原鞠莉ちゃんの「この学校の生徒って最高」という台詞にも現れています。
しかし劇場版にて、統合先とのトラブルという形で浦の星女学院が外からの視線で評価されたために、この伝統を改めて認識し直す必要が生じました。

 

Aqoursのライブづくりや閉校祭のように、全校生徒の一体感浦の星女学院の伝統。
これは誇るべき価値であります。(少なくとも作中ではそう定義されています。)
なぜなら、Aqoursを優勝へと導いたのが、まさにこの伝統だからです。

 

浦の星女学院の校舎から離れても、3年生が物理的に抜けてしまっても、この伝統は変わりません。
このことを理解し、優勝チームにふさわしい強さ(輝き)を取り戻す過程が、劇場版のメインストーリーでしょう。

 

Aqoursが輝きを取り戻すことで、統合先からの受容という形で、浦の星女学院という存在も復権を果たします。
浦の星女学院という名前は無くなってしまいますが、その伝統はスクールアイドル部、Aqoursとして残りました。
ED後の中学生?の台詞で、在校メンバー6人の先にも伝統が受け継がれていくことを仄めかして……末広がりでの終幕です。

 

ライブパートに入るたびに話の展開を振り返っていたので、歌詞が頭に入ってきませんでした。
これがまた見にいきたい理由その1です。

 

渡辺月ちゃん
また見にいきたい理由その2。
この子が黒幕でラスボスだという色眼鏡をかけて見ていたので、心情を掴み損ねました。
イタリアについてきた時点で、「この子は統合先校の代表として浦の星を見極めに来てるんだ、最後にこの子がデレて統合先校とのわだかまりが解消してハッピーエンドだな」と早合点してしまったんですよね。

1年生を落としにかかっているような描写もありましたし。


とにかくもう1回見て、彼女の心情を追跡したいです。

 

μ'sのアナザーストーリーとしてのSaint Snow
明言はされていませんが、Saint Snowというユニットは終わったと思っています。
理亞ちゃんが新たに作るのは、Saint Snowという名前ではないし、ユニットの方向性も違うでしょう。

 

この終わり方は、伝統となったAqoursとの好対照であると同時に、同じくメンバーの卒業を機に終了したユニットであるμ’sとの比較も可能です。
無印劇場版ではスパッとμ’sを終わらせたわけですが、今回のSaint Snowのように(聖良→矢澤、理亞→小泉あたりの配役で)悩ませることも展開上可能でしたし、それもそれでものすごく面白かったでしょう。
μ’sの時には選ばなかった展開を拾ったのが、Saint Snowだったと言えます。
結果、良かった。GJです。

 

以上、初見での感想でした。
テレビ放映時にツイッターで実況するのが今から楽しみです。