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エモくなったときに感情を吐き出します。

ラブライブ!サンシャイン!!2期最終話までの感想

ラブライブ!サンシャイン!!2期までの感想です。

最終話前にほとんど書きあげていたのですが、最終話を経てもほとんど変わりませんでした。

何回も繰り返して視聴したわけではなく、第一印象に近い感想です。追記修正の跡も残していきます。

 

(以下、ネタバレ注意)

 

無印とはそもそも構成がぜんぜん違う

サンシャイン(特に2期)は、無印とは明らかに構成が異なっていると思いました。二番煎じにならないようかなり注意していたのがよくわかりました。

僕の見たいものは、無印の焼き直しではなく、Aqoursの面々、終わりゆく学校という環境でしかできないエモい物語だったので、大満足です。

 

無印はμ'sの物語でした。メンバー各自の思いや成長がμ'sというグループに結集し、9人で最高の瞬間を目指しました。

一方サンシャインは、Aqours(9人での新生Aqours)としての活動を通して、メンバー各自が自分だけの輝きを見つけていく物語でした。スクールアイドル活動を通して廃校と向き合うのがメインエピソードであり、時間が最も大きく割かれてはいましたがが、ワンオブゼムにすぎません。

 

 

そのAqoursのエピソードも、9人だけのエピソードではなく、浦の星女学院の関係者全体が最後まで主役を張っていました。μ'sが早々に廃校問題から解放され、9人だけの物語になったのとは真逆の展開です。

 

Aqoursの時間はかけがえのないものであることは間違い無いですが、彼女らはさらに先を見ています。サンシャインはAqoursを通じた自己実現の物語であって、決して「今が最高」を歌い上げたりはしません。……と最終話前に書いていたのですが、最終話で「ここまでくる過程が輝きだったんだ」と言われて若干面食らいましたが、このままにしておきます。

 

μ'sのメンバーは、μ'sとしての活動を通して、最高の瞬間・最高の思い出を得ました。これは、メンバー全員で共有しているものです。

一方、Aqoursのメンバーは、自分だけの輝きを見つけました。無印と比べて、個人の物語という要素が濃いです。

 

サンシャインにおけるスクールアイドル活動

更に言えば、スクールアイドル活動自体が無印と比べて相対的に薄かったともいえるでしょう。

高海がスクールアイドルを始めたきっかけは、秋葉原の大型ディスプレイでμ'sを偶然見たからです。もしディスプレイで放映されていたのがリトルバスターズ!の番宣だったら野球をやっていたかもしれませんし、競女!だったらヒップアタックを始めていたかもしれません。

 

スクールアイドルと深く関わっていたのは、旧Aqoursの3人、つまり3年生の3人と、黒澤妹です。この意味で、スクールアイドルというテーマも、作品に欠かせないものというよりは、3年生のエピソードと黒澤姉妹のエピソードを描くための一要素です。

 

サンシャインで描かれたもの

スクールアイドルすらも一要素に過ぎないとすると、一体サンシャインは何を描いた物語なのかと言われると、僕はひたすらエモいテーマ・関係性を輻輳させて描いた物語なのだと思います。

 

無印はμ'sというグループ性・9人という塊を神聖視していたため、μ'sの活動とは直結しない個人の事情や、特定のメンバー間の深い関係を描写しないよう、注意していたように思います。これはこれでとても良いのですが、掘り下げ甲斐のある素材を見捨てなければいけないことにもなります。

 

一方サンシャインは、9人であることを突き詰めないことで、代わりに深みを描写したのだろうと思うのです。

 

もちろん、Aqoursとして活動しているメンバーのエピソードである以上、何らかの形でAqoursとしての活動に関係してきますが、無印のときほどに直接的ではありません。

無印では、回を重ねるにつれてμ'sというグループへの帰属意識が徐々に高まっていきましたが、この「グループへの帰属意識」も、サンシャインでは主に3年生のエピソードで描写された一要素に止まります。

 

オタクのわがまま

 

エモいエピソードを紡ぐと言えば、G'sマガジンの見開き連載です。こちらは時系列も因果関係もスルーしており、構成を考える必要がありません。

エモいエピソードを時系列の中に組み込み、根幹となるストーリーに結びつけるのは、至難の技です。少なくとも尺(放映時間、テキスト量、ページ数)が必要です。エモいエピソードを紡ぐにも、それをストーリーに結びつけるにも。

 

サンシャインは計2クール、無印と同じ放映時間でしたが、無印の時に捨象した要素を拾い上げつつ、無印と同じくラブライブに2回挑戦したのです。冷静に考えて尺が足りません。各回の落とし所が半ば強引に見えるところもところどころありましたが、仕方ないと思います。特に2期は2クールあってもよかったのでは?

 

全体的に尺不足とはいえ、函館回に2話使ったのは英断だったと思います。Aqoursとしての歩みの描写が減ってしまったのは事実ですが、あの2話で描かれた黒澤姉妹のエピソードは激エモです。エモ方向に突き抜けた名回となったと思います。

さらに言えば、このエピソードが中途半端に終わっていたら、スクールアイドル要素がもっと薄れていて、ラブライブ!の名前を冠する必要性すら危うかったとも思います……

 

黒澤姉妹を優先するあまり、国木田を描写しきれなかったのが何より勿体無かったと思います。1期4話という瞬間最大風速は凄まじかったですが、やはり勿体無い……

 

劇場版は何するの?

時系列的には2期最終話で綺麗に終わってしまったので、劇場版でやるとしたら、けいおん劇場版のように最終話前の時点で皆でどこかに行くエピソードなのかなーと思いつつ……大穴で桜内が音ノ木坂学院に戻ることになるエピソードが意外と来るのではないかと期待したりもしています。

残されているエモエピソードはまだまだたくさんあると思いますので、劇場版に限らず、OVAも続々出してもらっていいのよ?